
この記事では、営業職と技術職の共通点や違いについて、実際にどちらの職種も経験した私の体験を交えて解説します。
この記事は以下を想定する読者としています。
- 営業職と技術職について理解を深めたい方
- これから就活をする方、現在就活中の方
- 転職を考えている方
転職サイト等では「全く違う」などと書かれていることもある両者ですが、通ずる部分もあるんです。
結論としては、それほど大差はないと思っています
- 開発職7年目(現在上場企業のプロジェクトリーダー)
- 営業職5年経験(最終的に営業拠点責任者)
- 開発でも営業でも派遣・受託開発・パッケージ製品導入など
様々な案件の経験あり - ちなみに写真は嫁さん
記事書いてる人はもっとぽっちゃりしてる
私の経験を踏まえて両者について解説していきます。
営業職と技術職の違い
それぞれの仕事をまとめると、こんな感じ。
・人とのコネクションが資産になる
・コミュニケーション能力が必要
・(技術職と比較すると)視界が開けやすい
・知識や時事ネタのキャッチアップはした方がいい
・技術力が資産になる
・コミュニケーション能力が必要
・(営業職と比較すると)横のつながりによって転職しやすい
・主に開発技術についてのキャッチアップが必要
・ある程度実績があればつぶしがききやすい
こうやって見ると、結構変わらない部分もありますよね。
それぞれ見ていきましょう。
営業職の特徴

人とのコネクションが資産になる
営業というお仕事は究極的には人とのコネクションが資産になると思っています。
対人スキルというものはありますが、それは後述する技術職も必要です。
仕事の付き合いかどうかに関わらず多くの人とつながっておくことで、
将来的に意外なところからビジネスに発展したりもします。
実際私も商談していた際に、保険会社が主催している異業種交流会で知り合った、全く業種の異なる人を引き合わせた、なんてこともありました。
ということで、営業職とは様々な人とコネクションを築き、そのコネクションを大事にしていける方が向いています。
これが結構難しくて、私は営業向きじゃないと思った大きな理由の一つですね。
コミュニケーション能力が必要
当たり前ですが、商談して契約を取って売上を出すのが営業の大きなミッションなので、お客さんとスムーズに商談を進めるためのコミュニケーション能力が必要です。
このコミュニケーション能力には、大きく2つのタイプがあると思っています。
それは、「気に入られる能力」と「理詰めで契約までの道筋を固める能力」です。
気に入られる能力
要はお客さんと仲良くなるということです。
商談以外の砕けた話もできるくらいに話せる関係になって、お客さんが求める提案ができれば受注はすぐそこです。
特に営業職に就いたばかりのころは、早めに受注できないとどんどん社内にいにくくなり、勝手に自分を追い込みがちな方が多いように思います。
そういった方は、一本受注できれば世界が変わりますので、折れずに打席に立ち続けましょう!
私も最初の受注までは本当に時間がかかりました。
理詰めで契約までの道筋を固める能力
一方、提案に全力で論理武装して臨み、理詰めでお客さんを納得させて契約を勝ち取るようなスタイルもまた、コミュニケーション能力です。
いかに自社の提案をよく見せるか、どのような指摘や質問がくるか事前に準備しておき、会心のプレゼンテーションができて受注できたときは、営業として一番達成感があった瞬間でした(´・ω・`)
そんなの1回しかなかったけどねw
(技術職と比較すると)視界が開けやすい
当然ですが営業のお仕事では、システムエンジニアと比較すると商談のために客先に伺うことが多いです。
その他、異業種交流会などで普段関わることのない方との接点も多くなります。
(もちろん、そういった交流会に自分から参加する必要はありますが)
エンジニアも、外部のセミナーに参加する等でオープンな接点を作ることはできますが、近い属性の方との接点になりがちなので、総じて視野は広くなりやすいです。
私の場合は、システムエンジニアに転職してから、この広い視野が役に立ったと思います。
同年代の大半のエンジニアよりも、物事を俯瞰して考えることができていると思っています。
知識や時事ネタのキャッチアップはした方がいい
営業職では情報のインプットはやった方がよいですが、
必要ではないと思っています。
時事ネタなど仕入れておけば、商談の際の何気ない会話でアイスブレイクの効果を発揮する場合もありますが、
正直なところ、トークスキルがあればカバーできちゃいます。
会社にいる、ノリが良くて成果も出しているベテラン営業なんかにこのタイプが多いと思います。
(ちょっと偏見もあるかも)
若手で、商談の際の話題作りに苦手意識がある方は、日常的に日経新聞などでインプットをする習慣をつけましょう。
↓の記事で情報のインプットツールについて紹介しています。

技術者の派遣営業を担当している方は、触りだけでも良いので、顧客の扱う技術の知識を抑えておくと、かなりお客さんとの関係構築がしやすくなります。
商談相手は技術職のマネージャクラスの場合が多いためですね。
技術職という仕事

技術力が資産になる
当たり前ですが、技術職は専門職です。
専門職(せんもんしょく)とは、専門性を必要とする職のことである。現代の日本においては、国家資格を必要とする職業を指すことが多いが、近年では高度な専門知識が必要となる仕事については、国家資格を不要とする仕事でも専門職と呼称することも多い。他にも、「職能団体を有すること(学会が存在する)」「倫理綱領が存在する」という要件をもって専門職の定義とする見解もある。 また、国家資格を要する職業であっても職種により、専門職と呼ばれないこともある。法律系、会計系、医療系の専門職に就いている人は、氏名に先生を付けて呼ばれることも多い。
ウィキペディアより引用
実はIT業における労働基準法上の技術職はウィキペディアによると、情報処理技術者試験のITストラテジスト試験に合格するか、5年以上の実務経験のある、年収1075万円以上のシステムコンサルタントを指すらしいです。
が、ここではSEと呼ばれる業務全般も技術職というカテゴリーに加えた前提でお話します。
最近はプログラマを目指す方が増えているため、専門性が高いかというと疑問符が付く部分もありますが、
今でも十分専門職と呼ばれる仕事であると思っています。
業務の内外で培ったプログラミングスキル、システム・インフラなどの設計スキルは専門性の高いものであるため、自身の資産になるということです。
コミュニケーション能力が必要

技術職でもコミュニケーション能力は必要です。
特に自分の伝えたいことを伝える能力。
これがこの記事で最も伝えたかったことといっても過言ではありません。
エンジニアとして開発チームの一員として活動する場合も、フリーランスエンジニアとして活動する場合も、チームのリーダや発注者とのコミュニケーションが必要になります。
エンジニアの派遣やSESで客先で仕事をする際も、面談(実質はほぼ面接)で自分の経歴紹介や発注側のチームリーダなどからの質疑応答があります。
実際プログラマやシステムエンジニアとして、
「思ったよりもコミュニケーション能力が要求される」
と思った方も多いはずです。
もちろん技術力が非常に優れた方はエキスパートとして重宝されますが、こういった方は少数です。
逆に言えば、ある程度べしゃれてしまえばどうにかなってしまうケースが多いのが今の日本のIT業界で、これは商慣習による部分が強いように思えて残念な部分です。
(営業職と比較すると)横のつながりによって転職しやすい
特に派遣やSESで客先で仕事をしているエンジニアは、この時の縁がきっかけで転職をしている方も少なくありません。
私が思うには、これが派遣やSESで客先で仕事をする際の大きなメリットの一つです。
- 客先で出会った関連会社の人から引き抜かれる
(少し間を空けないと現在の所属企業に怒られるケースもあります) - 以前の現場でお世話になった他社社員に声を掛けられる
みたいな感じで、キャリアアップしているエンジニアが多いです。
ちなみに派遣業の営業担当としてはちょっともやっとする案件だったり
そういった縁に恵まれない方で、今の職場では成長できないと考えている方は、転職を考えたほうがいいかも。
転職エージェントに相談してみると、自分の市場価値を把握できますし、自分のこれまでの経験に合う求人を紹介してくれます。
少しでも興味があれば、アクションを起こしてみるのがおすすめです。
主に開発技術についてのキャッチアップが必要
システムエンジニアといっても、様々な言語、フレームワーク、OS、DB、ネットワーク、設計の知識など、業務によって必要な知識は多岐に渡るため、継続的なキャッチアップはある程度必須といえます。
1つの職場でずーっと働くなら必要な知識は限られますが、キャリアアップを考えるなら、できれば情報の感度は高めておきたいです。
ある程度実績があればつぶしがききやすい
技術職は専門職である、と先ほど紹介した通り、ある程度専門性を伴う技術を持つため、転職によるつぶしがききやすいです。
この記事を作成時点では、世間はコロナウィルスによる経済の後退局面に差し掛かるかどうか、といったところですが、エンジニアの求人数は比較的高めに推移しているようです。
企業が求人媒体への掲載を取りやめていない、ということですね。
今後も人材不足は継続する、と言われている業種なので他の業種よりも比較的仕事に困るリスクは少ないと言えそうです。
私が営業からSEに転職した理由
私が営業からSEに転職した理由は大きく2つです。
- 人とのコネクションが資産になる、と考えたときに自分が大成するイメージが湧かなかった
- SEの方が一度実績を積めば転職によるつぶしがききやすいと考えた
基本的には若干人見知り気味なところがあるのですが、営業としてのキャリアの終盤ではやりがいを感じていましたし、営業の仕事を楽しいと思っていました。
が、あと数十年働くことを考えたとき、手に職をつけたいと思い、SEへのジョブチェンジをしました。
転職活動はエージェントを使いましたが、結局は前職の縁で入社が決まった感じでした。
転職先の社長と前職のお世話になった先輩社員が知り合いだったのでw
まとめ
以上、営業職と技術職の違いについてまとめました。
特に伝えたいのは、少なくとも日本ではSEにコミュニケーションスキルが要求されることが多いことです。
普通にコーディングはできるのに、チームメンバー間であったり、発注者とのコミュニケーションが不十分なために、結果的に作業が遅れて評価が微妙になっている方をこれまで数多く見てきました。
「技術職だからスキルのキャッチアップはガンガンやってきたけど、なぜか社内で評価されない」
などと思っている方は、一度自分が周りからどう見られているか俯瞰してみるか、仲の良い同期に思い切って相談してみるとよいかもしれませんね。
就活や、転職活動の参考になれば幸いです。